慈雲寺の桜 (35-2)

2009年、慈雲寺の満開の桜を見終わって駐車場に戻る途中、桃農家の方が庭先で自家製の桃のシロップ漬けを売っていました。お土産に買った時、ご主人が「車椅子でも桃狩りができるから、夏にもいらっしゃい」と声をかけてくれました。
桃狩り…、素敵な響きでした。
そして、その夏、本当にまた行ったのです。枝からもいだ桃はまさしく桃の実。果肉がしっかりしています。山梨では固い桃を食べると聞いたことがあったけど、もぎたてという意味だとわかりました。これもアリ!と思ったけれど、やはり柔らかで果汁の滴る桃が勝り、桃狩りは一度きり。その後は、桃の季節に取り寄せて楽しませてもらいました。
桃狩りの数年後、ご主人が急逝されたと聞きました。結局、二度しかお会いしなかったけれど、ご主人のひと言のおかげで思い出が一つ増えました。
父のために柔らかそうな桃を探して、いくつもすすめて下さったご主人のことを、このブログを書きながら思い出しました。