方向転換(27-1)

父が脳塞栓で倒れたあと、私はフルタイムで14年間働きました。
最初の8年間は、母が主介護者で私はその補助、そして妹の家族4人でした。
ところが、ある日突然、一人欠場に伴う選手交代。私に主介護者の役が回ってきて、家族は三人になりました。バタバタでしたが、それでも、妹がいることで何とか3年間続きました。その後、父と二人になりました。
この時、在宅介護で仕事を続けることは容易ではないとわかっていました。けれど、私はまだ、この時点では諦め切れませんでした。
介護サービスをフル活用しました。家政婦さんもお願いしました。携帯電話から家の様子がみえるようなカメラも取り付けました。けれど、父を支えるマンパワーが三人から一人になった不足を補うには足りませんでした。
(続く)