

父の再生。光の先にあるもの(10-4)
入院中、父は病気で死ぬのではなく、憤死するに違いないと思うほど、ずっと怒りまくっていました。何もかもできなくなってしまった絶望と混乱の中にいたのだと思います。それが、自宅に戻り「できた!!」という実感を積み重ねるうちに、かつての日常とは違う、新しい日常を受け入れ始めたのでは...


父の再生。光の先にあるもの(10-3)
わが家は高台の住宅地にあり、平らなところはほとんどありません。 初めて父に外を歩かせるとき、母はどんな気持ちだったんだろう。 父はどうだったのだろう、と思うのです。 だめだ!とわかっても、病院のように回りに人がいるわけではなく、途中にベンチがあるわけでもない。立往生したら、...


父の再生。光の先にあるもの(10-2)
家の廊下がリハビリルーム。 その訓練内容は怖がって大声をあげる父を、母が無理強情歩かせるのというものでした。びっくりするほど無理強情で、父の嫌がりようもこれまた必死で、あまりの力任せぶりに笑ってしまうほど。 この独自訓練を二人でやってたんと思うと、まさに「恐るべし…」という...


父の再生。光の先にあるもの(10-1)
退院から1年余り経った頃でした。 週末のある日、父が麻痺側の右足に、つま先から足の付け根までの長い装具を付け、小さな脚立のような杖をついて、家の廊下を歩いていました。 「嘘でしょ…」狐につままれました。 退院したT病院では、「歩く見込みはない」と診断され、退院後、歩行訓練を...


お茶
昨日は外国人のかた向けの和菓子体験教室に講師として参加させていただきました。 以前、薯蕷饅頭を作って、それを気に入ってくれた友人からの薦めです。 お饅頭作りは初めての方には難しいかなと思い、どら焼き&お抹茶にしました。 ドラえもんは国際的ですものね。...


大好きなドライブ(9)
ドライブは暑くても、寒くても、台風でなければ行きたいのです。 マグロと一緒で、止まらず走ってさえいれば上機嫌。 居眠りをすることもありませんでした。 毎日お風呂に入れることも、車椅子を車に積んでドライブに行くことも楽ではありません。...

大好きなお風呂(8)
家での暮らしが始まりました。父は毎日、お風呂に入りました。 仕事から急ぎ帰ると、父の入浴タイムです。 父が家のお風呂に入るためには脱衣所と風呂場の段差解消(15㎝)が必要でした。これは工務店のHさんにステンレス製のスロープを作っていただき、椅子にキャスターが付いたような入浴...


住宅改修 1994(7-3)
このリフォームでは、エレベーター本体の取付け工事と併せて、2台分の駐車スペースを作るコンクリート工事の必要がありました。また、トイレの間口を10センチほど広げて、車椅子で便座まで近づける工事も行ったため、まとまった費用がかかりました。...


住宅改修 1994(7-2)
父が亡くなった後、工務店のHさんご夫妻に挨拶に伺いました。私が「お二人のおかげ」というと、Hさんは「施主さんの強い意思があってはじめて、私たちはできるのです。」とおっしゃいました。母の気迫に、Hさんが「よし、なんとかしてやろう!」と応えて下さった。そして、プロの技術と気概で...


住宅改修 1994(7-1)
父が命を取り留めて、ある程度落ち着いた頃から、母は住宅改修を考え始めていたと思います。 退院時、父は一歩も歩くことはできませんでした。移動は車椅子でした。 我家は木造一戸建てで道路から玄関まで9段の外階段があります。実際、道路から家の床面までは3mほどはあるでしょうか。この...